ReportsIMART2024トークセッション 「北米における多様な日本マンガの可能性~クリエイター等育成プログラム(マンガ分野)、MINTプロジェクトの挑戦」
2024年11月12日
2024年11月12日(火)~16日(土)、東京・池袋にあるアニメイトシアターで開催されたIMART2024(第5回国際マンガ・アニメ祭Reiwa Toshima)にて、MINTアドバイザー7名のうち5名によるトークセッションを開催しました。
テーマは、「北米における多様な日本マンガの可能性~クリエイター等育成プログラム(マンガ分野)、MINTプロジェクトの挑戦」。MINTプロジェクトの紹介をはじめ、北米におけるマンガ市場の最新トレンドや、多様な日本マンガの今後の可能性について、国内外のアドバイザーによるトークが行われました。
第1部では、MINTプロジェクトの概要説明に続き、岩下朋世氏、小田切博氏の両アドバイザーが、本プロジェクトの育成対象者として選出された計11名のマンガ家・編集者を紹介。それぞれの選出理由や北米市場におけるポテンシャルについて、対象作品の内容とともに解説がありました。
続く第2部では、日本の多様なマンガが北米マーケットでどのように受け入れられているかについて、デボラ・アオキ氏、クリストファー・ウッドロー・ブッチャー氏、エド・チャベス氏の海外アドバイザー3名による意見交換が展開されました。
日本と異なり、北米のコミック市場ではデジタルコミックの信頼度が低く紙書籍中心であること、海外のマンガファンはマンガ家とのパーソナルなつながりを求めていること(それが海賊版予防にもつながり得ること)、日本のマンガは昔も今も欧米のクリエイターたちのインスピレーションの大きな源泉となっていること、女性マンガを求めているファン層は確実に存在するものの、それが大きな購買のうねりにつながっていくにはもう少し時間がかかるであろうこと等、3名それぞれの専門的な観点から北米市場の実状が指摘されました。
MINTプロジェクトでは今後、アメリカでマンガ関連イベントへの参加や展示会を開催し、11名のマンガ家・編集者にはこれらの場で積極的に自作品を紹介していただきます。海外アドバイザーからは、個々のマンガ家の特性に適した紹介の仕方を積極的に展開したいとのコメントがありました。そしてなにより、日本のマンガに対する深い関心と情熱を持ち、今の読者が求めるものを常に意識して制作に当たる出版社や編集者と仕事をしていってほしい、との熱いメッセージが寄せられました。
【トークセッション概要】
日時:2024年11月12日(火)18:00~19:00
場所:アニメイトシアター(アニメイト池袋本店B2F)
テーマ:
「北米における多様な日本マンガの可能性~クリエイター等育成プログラム(マンガ分野)、MINTプロジェクトの挑戦」
登壇者:
【MINTアドバイザー】
デボラ・アオキ(マンガ評論家・編集者)
クリストファー・ウッドロー・ブッチャー(編集者・評論家(コミック・図書教育専門))
エド・チャベス(日本マンガ翻訳出版社Denpa, LLC.共同創設者)
岩下朋世(相模女子大学学芸学部メディア情報学科教授)
小田切博(フリーライター、マンガ研究家)
【モデレーター】
椎名ゆかり(文化庁参事官付芸術文化調査官・メディア芸術担当)